広報やおつ 平成30年9月号
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広報やおつ No.5738杉原ウィーク  第19回杉原千畝記念短歌大会入賞作品(敬称略)選者 平井弘 小塩卓哉 後藤すみ子愛 賞思いやり込めた言葉は温かくスマホなんかで伝えられない昭和女子大学附属昭和中学校2年 今林双葉被原爆地なのにもう核に守られてなにやってるの?忘れちゃったの?八百津町立八百津中学校3年 坂元秋桜人間はなぜ戦争をするのだろう死者の声満つ日本の八月美濃加茂市立西中学校1年 市原幹大友達に気を遣うのか思いやるのか似てるようだけど全然ちがう可児市立西可児中学校2年 下出彩乃心 賞大切にしないのならばその命あげてくださいアフリカの子に美濃加茂市立西中学校1年 福井梨乃つゆの中元気にのびるあじさいはうす暗い中かがやいていた美濃加茂市立西中学校1年 樋口琳太勇気賞あなたからあふれ出てくる優しさにわたしのこころあたたかくなる昭和女子大学附属昭和中学校1年 前平佳音えん筆をにぎるその手が増えるたび平和だなあとこぼれる言葉昭和女子大学附属昭和中学校1年 大村南都江佳作(中学生の部)おにごっこいつも同じ子おにになるよくないおにはぼくたちかなぁ八百津町立八百津小学校3年 田中温大十一才終戦むかえたおじいちゃん必死に耐えた今ぼくの年犬山市立犬山北小学校6年 伊藤 蓮愛 賞思いやりひとりひとりのやさしさが世界を少し変えていくんだ名古屋市立平和小学校6年 崔 準もうすぐパズルがかんせいするよ。おめでとパチパチみんなでパチパチ八百津町立錦津小学校3年 長谷川義忠心 賞きゅうりのねはっぱが大きくなったんだこれもいのちの一つなのかな郡上市立大和南小学校2年 さかいふうが校庭にカーンカーンと鳴りひびく平和のかねは平和の印名古屋市立平和小学校5年 竹内真優勇気賞生きるため小さくまるいしんめ出しぐんぐんのびるかんようしょくぶつ八百津町立潮見小学校3年 大ざわ陽向アオバズクひなとよりそう坪谷小家ぞくみんなで今年も来てね日向市立坪谷小学校4年 三浦柚希どぶがわでもさかなはまえにすすんでるわたしもいっぽすすまなきゃ八百津町立久田見小学校2年 大のひめりちうねさん平和なせかいをねがってた今度はぼくらが平和を守る八百津町立八百津小学校4年 小池きょうすけ佳作(小学生の部)やさしいと思いやりって同じだねみんなをえがおにする言葉八百津町立久田見小学校3年 大七星2018人道大賞 (一般の部)前線に置かれた祖父は水しぶきかかったような服を着ていた埼玉県和光市 岩﨑雄大先人の学んだ庭のオリーヴよ若き我らはその頂きの葉愛知県立瑞陵高等学校2年  安藤遥香人道大賞 (学生の部)〔評〕杉原千畝の学んだ学校の庭にたつオリーブの樹。その先人につづくわたしたちは、頂きにそよぐもっとも若い葉だ、と高らかに歌い上げています。五年ほど前にも同じ学校の生徒の歌が大賞になりました。〈わたくしは風がどんなに吹こうとも決してゆらがぬオリーブの木 佐藤千咲輝〉覚えておいででしょうか。「先人」とはひとり千畝のみならず、その思いを歌いつぐ先輩の誇りも込められているのでしょう。驚きやあるいは不安までもふくめて、頂きの未知の風に触れる喜びを弾けさせた若さに好感をおぼえました。(平井 弘)〔評〕戦地で撮ったいちまいの灰いろの写真には、スコールでも浴びたように濡れた軍服の祖父が立っています。おそらくは行軍で汚れた汗なのでしょう。子どものころに見た忘れられない記憶があります。凱旋通りとよばれていた駅前の通りを行進する歩兵たち。日の丸を振るわたしの前を通るひとりの兵の下腹がぐっしょりと濡れていました。用便さえもままならぬ軍隊というものに、言い知れぬ不安を覚えたものです。前線であればなおのこと、「水しぶきがかかる」程度のことではない現実があったということなのでしょう。(平井 弘)

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