広報やおつ 平成31年3月号
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広報やおつ No.57818鵜飼さんは、昨年7月に亡くなったおじいちゃんへの感謝の気持ちを、作文につづりました。いつも一緒にいたおじいちゃんから、愛情をいっぱいに受けて育った鵜飼さんの、感謝の気持ちがあふれています。受賞を受け、「おじいちゃんに伝わるといいなと思って書いたけれど、新聞に載せてもらえたので、たくさんの人に読んでもらえて、声をかけてもらいました。とてもうれしいです」と喜びを語りました。報告を受けた金子町長から「すばらしい作文に、とても感動しました。これからも優しい気持ちで、周りの人を大切にして、頑張ってくださいね」と声をかけられると、鵜飼さんは嬉しそうに「はい」と返事をしました。とてもすてきな作文です。全文をご紹介させていただきます。第18回岐阜県小学生作文コンクール鵜飼佐弥子さん(和知小5年)特選に選ばれました!おじいちゃんは、明るい。いつもだれかとしゃべっている。だれとでも、すぐ友達になれる。おじいちゃんは、おもしろい。私が赤ちゃんのとき、「さやっぺ」とよんでいたらしい。よくじょうだんを言って、みんなを笑わせた。おじいちゃんは、食いしんぼう。おばあちゃんがいないすきに、こっそりかしパンを食べていた。「さやこも食べるか?」と言って、パンを分けてくれた。夕ご飯の前なのに、二人でこっそりよく食べた。おじいちゃんは、やさしい。私がおやつをあげると、「ばあさんの分、とっといたらないかん。」と言いながら、なんでも半分こにしていた。そして、「ラップしといて。」と私にたのんだ。おじいちゃんの部屋に遊びに行くと、「食べやぁよ。」と言って、こんぶあめや、くきわかめをくれた。おじいちゃんは、たまにおこる。やったらだめだと言われたことを、二回目やると、「さっきだめって言ったでしょ?」と言ってから、私の手をやさしくちょっとだけつねる。いたいのに、いたくないような感じがした。おじいちゃんは、おばあちゃんとけんかする。けんかのときは、聞かないほうがいいかなと思って、一人でヨーヨーをしたり、ご飯をもくもくと食べたりして見ないふりをした。「ねぇ?さやちゃん。」おばあちゃんがそう声をかけると、きまってけんかはおしまいになる。けんかのときは、「あぁ早くおばあちゃん、声かけてくれんかなぁ。」と思っていた。おじいちゃんは、物知りだ。「ここは、こうするといいよ。」「あぶないから、ここは気をつけてね。」いつも、何でも教えてくれた。「それはぁ…。」私が質問すると、そう言いながら、子どもにも分かりやすく、くわしくていねいにどんなことにも答えてくれた。おじいちゃんみたいな物知りになりたいなぁと思いながら、話を聞いていた。おじいちゃんは、いつもおうえんしてくれる。「さやちゃん、やってみやぁ。」と言って、何でもやらせてくれた。おじいちゃんの家のテレビを見るとき、初めてヘッドホンを使わせてくれた。何でもチャレンジさせてくれて、うれしかった。おじいちゃんは、強い。病気になっても、一人で落ち葉を拾っていた。小石も、拾っていた。草も、とっていた。何も言っていなかったけど、きっとみんなのために働きたいと思ってそうしていたんだと思う。上手に歩けなくなって、よく転んでけがをした。めがねがわれたり、手や顔を切ってぬってもらったこともある。「大じょうぶ?」と声をかけると、笑いながら、「いたいけど、大じょうぶやよ。おじいさんは。」と、やさしい声で返してくれた。どんどんできないことがふえていって、つらかったり苦しかったりしても、ぜったいに私には言わなかった。だから、私も言わないようにした。おじいちゃんを心配な気持ちにさせるようなことは。おじいちゃんは、孫思いだ。病院のベッドでねているときも、「さやこが家に帰ってくるで、はよ帰りゃあ。」とおばあちゃんに言っていたそうだ。「さやこの手は、大じょうぶか?」と、ベッドの上で私のつき指のことをずっと心配してくれていたそうだ。でも、おじいちゃんがいなくなっちゃってから、そのことを知った。もっと、早く知っておきたかったなぁ。最後に会いに行ったとき、おじいちゃんはじょうだんを言っていた。だから、またじょうだんを聞けると思っていた。声を聞いたり、あく手したりは、もうできないけれど。明るくて、おもしろくて、食いしんぼうで、やさしくて、たまにおこりんぼうで、おばあちゃんとけんかをして、物知りで、いつもおうえんしてくれて、強くて、孫思いなおじいちゃん。会いたいよ。もう一回、会いたいよ。おじいちゃんのこと、忘れないよ。たくさんたくさんありがとう。おじいちゃん 八百津町立和知小学校5年鵜飼佐弥子

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