広報やおつ 令和元年10月号
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9広報やおつ No.584だったそうです。3日目の朝、少し、晴れやかな表情をしていた子どもの一人が、先述のように思いを語ってくれました。「最初の日は言葉が通じず、笑顔を見せるしかなかったけれど、身振り手振りと分かる英単語を使ってみたら、何とか通じました」これは、自分を変えることへの挑戦と勇気が原動力となっていると感じました。ホームステイを終えた最終日の朝、お別れ交流イベントが行われました。会場であるチュルリョーニス美術館では、ドブケヴィチュウス学校の子どもたちや職員のみなさんの、温かく優しい歌声とまなざしに包まれ、しばらく別れを惜しみました。優しく頭をなでてくださるホストファミリーに、涙で頬を濡らしながらお礼を繰り返す子どもたちの姿は、言葉や文化の違いという壁を取り払う程、熱い思いにあふれていました。3「杉原千畝さんの思いが、今もつながっているんだね」研修の中で、ヴィリニュス市の「杉原桜公園」、カウナス市の「杉原ハウス」を訪れました。「人道教育」として、小学生の頃から学んできた杉原千畝氏の功績の偉大さを、遠く離れた地で再確認しました。杉原氏の思いがリトアニア全土に広がり、今もなお、人々がその思いを受け継いで日々の生活を営んでいることを目の当たりにしました。「人道の精神が人を創る」ことの素晴らしさと奥の深さを改めて感じることができました。 「思いが今もつながっているんだ」というつぶやきは、これまで杉原氏のことを学んできたからこその実感がともなう言葉でした。4「本気で〝生きる〟ことを考えました」アウシュヴィッツ強制収容所を訪れ、そこで目にした大量の小さな靴やかばん。そこには、持ち主であろう名前が刻まれていました。自分の持ち物に名前を書くという、ごく当たり前の日常と、持ち主の元に永遠に帰ることができなくなったという事実。子どもたちは発する言葉もありませんでした。リトアニアやポーランドでは、旧市街地を歩き、再建された建物や街並みを前に、当時の人々の生きる力のたくましさを感じました。そして、同時に、残酷で悲惨な戦争という過ちを決して繰り返してはならないという決意が、この言葉で表現されています。帰路。搭乗前の静かなヘルシンキの空港で16名が今回の研修への思いを語りました。子どもたちの言葉には、感動と感謝、そして未来への夢や希望であふれていました。また、八百津町の代表としての責務を自覚し、これからの自分の具体的な言動をイメージして語る場面もありました。一人ひとりの夢の実現を心から期待しています。末尾になりますが、素晴らしい機会を与えてくださいました吉田茂様には、深く感謝申し上げるとともに、海外派遣研修会への参加を支えてくださいました保護者のみなさま、八百津町長様を始め、関係者のみなさまに厚く感謝申し上げ、団長の報告とさせていただきます。ありがとうございました。

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