広報やおつ 令和2年7月号
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12広報やおつ No.592介護施設のように人と向き合う職業は、やはり、人に対する思いやりが必要で、ロボットではなく人間にしかできないことだと私は強く思った。しかし、人間だけでは限界もある。人手不足、長時間労働、人件費が高くなる。様々な課題がある。全ての仕事を人間だけで行うことは不可能だ。今、私たちの生活はAIやロボットによって支えられていると言っても過言ではない。私の家には、自動で掃除をしてくれるロボットがある。ロボットが掃除している間に、他の事ができとても便利だ。ショッピングモールやレストランにも案内を担当するロボットがいるように、私たちの周りには生活を便利にするためにAIが使われている。一度学習すろうか。そんな時、私は介護施設で働いている母の職場について行ったときのことを思い出した。それは、人間の良さが詰まった、素敵な場所だった。施設では、介護士と利用する人との関係のあたたかさに、とても驚かされた。入浴介助やレクリエーション、事務仕事の同時進行で忙しそうにしている介護士の姿があったが、利用する人と会話する時には、必ず目線を合わせ、相手によって声の大きさやトーンを変えて話していた。場合によっては、ジェスチャーをしたり、紙に書いたりして伝えていた。レクリエーションの時には、利用する人と一緒に楽しみながら、みんなが楽しめているか表情を確認しながら進めている姿があった。さらに、もっと楽しめるようにレクリエーションのルールや内容を変更し対応している姿もあった。介護士の手は、優しさにあふれていて、「相手を思いやる心が何よりも大切だ。」ということを感じた。その相手への優しさが、この施設を利用する全ての人に自然と伝わり、心から安心して過ごすことのできるあたたかい場所になっているのだと感じた。少年の主張大会 最優秀賞受賞「便利さとあたたかさ」八百津中学校三年 石井 友菜「介護をAIやロボットだけが行うようになったらどうなるだろう。」あるときふと思った。ロボットが介護しているところを想像して思った。「そんなことできるはずがない。」感情をもたない無機質なロボットと、生活が不自由なお年寄りのみの空間を想像して、自分の大切な家族をロボットに任せたいとは、とてもじゃないが思えなかったからだ。近年、社会は急激に変化している。私たち中学生のほとんどが、スマートフォンを持っているように、インターネットは急速に普及している。AIやロボットなども発展し、社会は高度で複雑になっている。その中でもAIやロボットの発達はすさまじい。今では、掃除も自動で行うことができ、人間とのコミュニケーションも違和感なく行うほどだ。こんなニュースを聞いたことがある。「近い将来、職業のほとんどが、AIやロボットに奪われるだろう。」みなさんはこれを聞いてどう思いますか。私はAIやロボットの利便性への期待と共に、恐怖を感じる。今後、人間の居場所は無くなってしまうのだ少年の主張大会 中濃選考会八百津町代表は…石いし井い友ゆう菜なさんに決定!新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、残念ながら、今年度の「青少年を育てる会」は、中止になりました。「青少年を育てる会」の中で、「少年の主張大会」では、未来を担う中高生が、自分の生き方についての主張・決意を発表します。学校生活や社会生活の中で気づいたことや学んだこと、仲間への思い、将来の目標…各校の代表のみなさんの言葉は、毎年さわやかな感動を、わたしたちに与えてくれていました。町内中学校の子どもたちが、新型コロナウイルス感染症による休業期間中に、自分を見つめ直し、ひたむきに書き上げた主張の数々…。すばらしい作品の中から、今年度は、八百津中学校3年生の石井友菜さんの作品が、町の代表として、7月開催の中濃選考会に進みます。思いやりにあふれた優しい視点で、これからの介護について、語られた作品です。石井さんの主張を紹介します。

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