佳作
応募者氏名:南谷 颯良
学校名:美濃加茂高校
学年:2年生
題名:正しい選択
「本当にサッカーをやるのか?」小学六年生の時、父にそう聞かれたとき、少しだけ迷った。私は頷いた。「うん、サッカーをやりたい。」と。
小学生の頃、私は陸上クラブに所属していて、100m走やリレーで、県大会にも出ていた。タイムもそこそこ良くて、周囲からは「陸上を続けた方が上を目指せる」と言われていた。しかし、別で所属しているクラブチームでやっていたサッカーのほうが、正直言ってずっと楽しかった。ボールを蹴る感覚、仲間と一緒にプレーする喜び、チームで勝ったときの一体感。陸上にはない魅力がそこにはあった。
中学進学を機に、どちらか一方に絞らなければならなかった。将来のことを考えれば、陸上の方が「安定」している選択だったかもしれない。それでも、私はサッカーを選んだ。自分が本当に熱中できるものをやりたかったからだ。
地域の強いクラブチームにたまたま調子が良くてセレクションに合格した。最初の一年は苦労の連続だった。技術も戦術も足りず、試合にはなかなか出られなかった。自分の選択が間違っていたんじゃないかと、何度も思った。しかし、そのたびに「好きだからこそ頑張れる」と自分に言い聞かせ、練習に打ち込んだ。体力面や足の速さでは陸上の経験が活きたし、何より「走ることが苦じゃない」という点で、他の選手より少しだけ有利だった。2年生の終わり頃、ついにレギュラーの座をつかんだ。監督から「お前の足の速さと体力はチームの武器になる」と言われたとき、あのときの決断が報われた気がした。
今、私は高校でもサッカーを続けている。強豪校というわけではないが、全国大会を目標に仲間と真剣にボールを追いかける日々は充実している。もちろん、今でも「もし陸上を続けていたら」と考えることはある。あっちを選んでいたら、違う景色が見えていたかもしれない。
だが、「正しい選択」というのは、未来に何が起こるかを予測して選ぶことではないと、今は思っている。自分の心に正直になって、その時点で一番納得できる道を選ぶこと。それが何よりも大切なんだと。
そして、選んだ道を「正解」にしていく努力もまた、選択の一部だ。サッカーを選んだだけで上手くなるわけじゃない。毎日の練習、チームメイトとの信頼関係、勝ちたいという強い気持ち。それらを積み重ねていく中で、私の選択は徐々に「正しいもの」になっていった。正しい選択に絶対の答えなんてない。それでもなお、自分で決めて、自分の足で進んでいけば、それがいつか自信になると思う。私はそう信じて、これからも自分の選んだ道を走り続けたい。