最優秀賞

応募者氏名:篠宮 妃香
学校名:美濃加茂高等学校
学年:2年
題名:小さな選択で大きな笑顔を



私の通っていた中学校には、Aさんという二歳年下の、生まれつき脳性麻痺で足が不自由な子がいました。Aさんは特別学級で他のみんなとは違うクラスで過ごしていました。そして毎日先生と、専用の杖を使って階段の昇り降りをするなどのリハビリをしているのを見て、私は少し驚いた記憶があります。それから私は廊下や階段で会ったら必ず挨拶をしようと思うようになり、毎日欠かさず挨拶をしていたけれど、それ以外の関わりが全くといっていいほどありませんでした。月日が経つにつれて少しずつお互いの心が開いてきた気がして、私は何かAさんにできることはないかと思うようになりました。

そんなある日、生徒会の子に、せっかくだから体育祭で足が不自由な子でも出れる競技にしたいと相談を受けました。これを聞いた私はやるしかないと思い、協力することに決めました。そしてさっそく本人に意見を聞きにAさんを訪ねました。そこで私たちは予想外のことを耳にしました。それはAさんが言った「出たくない」という言葉でした。しかし私たちの、全員で体育祭をつくりあげたいという気持ちは強く、なんとか説得することも考えましたが、やはりAさんの意見を尊重することに決めました。これで決定はしたものの、私たちの中にはなにかモヤモヤしたものが残りました。やっぱり全員でつくる体育祭にしたい。

競技に出られなくてもいっしょにできることはないだろうか。そこで思いついたのは応援のうちわをつくることでした。このことをAさんに伝えにいくと、とても喜んで賛成してくれました。そのとき、最後まで諦めずに考えてよかったと心の底から思いました。それからみんなで準備を進め、いよいよ迎えた体育祭当日。Aさんはとてもワクワクした様子で、精いっぱい応援をしてくれました。体育祭が終わるとAさんは、私や生徒会の子たちに笑顔に満ちあふれた顔で「ありがとう。」と言ってくれました。私は嬉しさを感じたと同時に、改めてやってよかったと、大きな達成感を感じました。

私たちの決断は決して大きなものではないし、それが必ずしも正しい選択だったかどうかはわかりません。しかし、相手の喜ぶことをしたい、誰かの役に立つことをしたいという気持ちに正解、不正解はないと思います。常に正しい選択をするのは難しいけれど、小さな選択、決断が大きな笑顔につながると私は実感しました。だからこれからも、正しい選択、自分の選択でたくさんの笑顔につなげられたらいいなと思います。